山口組分裂で大忙し! ヤクザ専門ライターが送る壮絶な日常とは? ひっきりなしの電話攻勢、家族旅行への同伴…

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 ヤクザからの電話は大切なネタの情報源。どんな時でも出ないわけにはいかない。鈴木氏はヤクザからの電話だけを特別な着信音にするなどの工夫もしているらしい。だから、時にはこんな代償を払うことにもなるそうなのだ。

〈車に乗っていたら電話が鳴った。(中略)去年免停になったが、そのほとんどが走行中の携帯電話が原因だ。もちろん相手はすべてヤクザである〉

 免停のリスクを負ってまで出るヤクザからの電話。しかし、その全てがネタになるようなものとは限らない。ある日の日記にはこんな言葉まで綴っている。

〈今月はめっきりヤクザからの電話がなかった。たぶん10回以下だ。嫌な気分にならずにすんだ1ヵ月。こんなめでたいことはない〉

 鈴木氏がここまで言うのには理由がある。それは、ヤクザからの電話には、以下のような電話も含まれているからだ。

〈渋滞にはまったところで、また電話だ。登録されていない番号だ。嫌な予感はあるが出るしかない。相手は4年以上前に音信不通になったヤクザだった。また金の無心だ。
「前にあれだけ協力したんだ。交通費だってかかってる。経費を出せよ。てめぇ殺すぞ!」
 私は例年、「殺す」と言われるたび、カレンダーに印を付ける。今年はようやく2つである〉

 ヤクザに「殺す」と言われてもこれだけの余裕を保てることに驚愕するばかりだが、人並外れた精神的タフさがなければヤクザ専門ライターは務まらないということなのだろう。

 というわけで、ヤクザからの電話に関する気苦労は絶えないわけだが、ヤクザ界には電話に関するこんな暗黙のルールもあるらしい。

〈電話がしつこく鳴る。1分以上鳴らし続けるのでマナーモードのバイブでもうるさい。俺に電話してくるのは女かヤクザか編集者だけだ。こんなバカは確実に編集者だ。
 ヤクザは長くコールしない。いつも携帯に気を配っているのが当たり前という前提なので、数回呼んで出ない場合は、相手が出られない状況だと判断する〉

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