戦後70年談話で迷走、安倍首相が怯える「天皇のお言葉」…天皇から憲法軽視と歴史修正主義への批判が?

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「新年にあの談話を出したというのは、やはり安倍談話を見据えてのことでしょう。安倍さんに過去の歴史を直視し、きちんとおわびすべきとのメッセージです」

 しかし、冒頭に述べたように、安倍首相本人、そしていまや政権の『黒幕』とさえいわれている日本会議はなんとしても、村山談話にある「おわび」という言葉を使いたくない。日本会議は20年前の村山談話のときも反対運動を展開して、国会決議の阻止には成功したものの、結局、閣議決定されてしまったという苦い経緯がある。村山談話、すなわち政府の歴史認識の見直しは、彼らにとって何にもまさる悲願なのだ。

「村山談話のときと同様、最後の最後まで揉めるでしょう。安倍さんは米議会の演説で『痛切な反省』『アジア諸国民に苦しみを与えた事実』までは口にしたが、それが『侵略』と『植民地支配』に対するものだということまでは明言していない。もちろん、『おわび』もしていません。安倍さんや日本会議を中心とするその取り巻き一派は、なんとかその線で留めたいと考えている。それよりも、日米同盟強化や積極的平和主義など未来志向のアピールに重きを置きたいというのが本音です。ところが、それで本当に噂されるような天皇の『お言葉』が出たら、政権はアウトですから。そこで官邸はいま必死になっているんです」(前出・宮内庁担当記者)

 実際に「天皇のお言葉」がどうなるかはともかく、その存在が安倍政権の暴走をおしとどめているのは間違いなさそうだ。改憲によって再び天皇を独裁権力者として祭り上げようとしている安倍首相や、政権の黒幕・日本会議、神社本庁にとってはさぞ苦々しい展開だろう。
(野尻民夫)

最終更新:2015.08.13 03:00

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