産経新聞が「安保反対デモはヘイトスピーチ」との記事を掲載! 新聞記者なのにヘイトスピーチの意味も知らないのか?

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 何を恐れているのだろうか……とツッコミたいのはこっちだ。たんに公安と間違われたというエピソードを、さも意味ありげに語る前に、やることがあっただろう。ちゃんと名刺を出して「産経新聞の記者ですよ」と言えばよかったじゃないか。結局、そのマスクをした女性ふたりの素性は何もわかっていないし、「尾行なんてしていない」「メールのやりとりに夢中で気付かなかった」という記者の言い分が事実ならば、ふたりが本当にデモの参加者だったのかさえ定かじゃないはず。決め付けているのは自分だって同じではないか。また、念のため補足しておくと、この夜、SEALDsはデモを行っていない。

 そもそも、夜遅くに、何者かについてこられているような気がすることって、普通にないか? まあ、この記者がどんな服装をしていたかは定かではないが、その女性たちからしてみたら挙動が怪しく見えて、ちょっと不安になっただけなんじゃないの? ……まさか、この「あなた『公安』ですよね」と「決め付け」られたことが「ヘイトスピーチ」だと? いや、だとしたらこのギャグ、ハイレベルすぎる。

 まあ、おそらくこの記事の狙いは「安保反対デモの参加者は公安の調査対象になっている」あるいは「デモ参加者はやましいことがある」というミスリードといったところだろうが、はっきり言って、こんなものは妄想のつぎはぎでしかない。とても新聞記者とは思えない杜撰な文章である。

 ちなみに、極右雑誌「WiLL」(ワック)15年1月号に掲載された産経新聞社社長・熊坂隆光氏のインタビュー記事には、《産経新聞こそ日本のクオリティペーパー》なるタイトルがつけられているのだが、そのなかで熊坂社長は、昨年の朝日慰安婦報道問題に触れたついでに、こんなことを言っている。

「長く朝日をとっていた方が、いきなり産経を読むには刺激が強すぎる(笑)」

 たしかに、こんなネトウヨ丸出しの妄想怪文書を読まされるのは、あまりにも刺激的すぎるだろう。これが産経新聞の “安倍様クオリティ”であることを、われわれはしっかりと覚えておこうではないか。
(梶田陽介)

最終更新:2015.08.03 07:05

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