DMMニュースがジャニーズ記事を全削除! ネットニュースにも広がるタブー

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 サイト名からもわかるように、DMMニュースを運営するのはDMM.com。もともとはインディーズのAVを配信するサイトとしてスタートしたが、現在ではアダルト以外のビデオ・オン・デマンドや電子書籍事業、「艦隊これくしょん〜艦これ〜」などのブラウザゲームでも有名で、DMM.com証券などのグループ会社も擁する一大企業に成長。DMMニュースもその事業のひとつとして発足したのだが、今回、グループ内CMで山下を起用することになり、山下だけではなくジャニーズのすべての記事が消えてしまったというのが真相であるようだ。

 ジャニーズ事務所がDMMに対して抗議を行ったのか、あるい自主規制で削除したのか、その詳細はわからない。

 しかし、利害関係になるとネガティブな情報を伝えることができなくなる。これは、ジャニーズがこれまで出版社に対して行ってきたメディア対策と構図は同じだ。ジャニーズは大きな利益を生むジャニーズタレントたちのカレンダー出版権をさまざまな出版社に分配したり、ファッション誌やアイドル誌のグラビアやインタビューに応じることで、その出版社が発行する週刊誌がジャニーズタレントのスキャンダルを扱うことを封じてきた。

 AKBについても同様だ。総選挙やじゃんけん大会のガイドブック、メンバーの連載、グラビアなどの利権をばらまかれて、ほとんどの週刊誌はAKBスキャンダルを報道することができない。

 本来、ニュースを扱うのであれば、こうした圧力を受けない姿勢が大切だが、大企業のなかで独立性を確保するのは難しいうえ、本や雑誌が売れない状況で売れるタレントへの依存度が高まり、タブーはどんどん強固になってきた。 

 そして今、こうしたタブーがネットニュースにまで広がりつつあるということらしい。ネットは圧力もしがらみもない自由なメディアという認識をもたれていたが、結局、配信会社の利害がからむと、報道はできないということなのか。実際、DMMニュースでは、ジャニーズ以外にAKB48関連のネタはタブーのようだ。これはDMM.comが「AKB48グループ LIVE!! ON DEMAND」として、AKBグループの劇場公演を動画配信している関係だという。

 また、他のニュースサイトでも、その影響力が高まるにつれ、芸能事務所から「所属タレントのスキャンダルを扱うな」という抗議や圧力がかかるケースが増え、その結果、いくつかのサイトでは特定の事務所のタレントのゴシップ記事を一切報道できない状況が生まれつつある。

 ネットニュースは、このまま既存メディアと変わらないものになってしまうのか──本サイトも含め、ネットニュースはこれからその真価が問われることになりそうだ。
(時田章広)

最終更新:2015.05.09 12:13

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