元米軍司令官も証言! 安倍政権が煽る「東アジアの危機」は嘘 

新ガイドラインはすべて米国のため…安倍首相は自衛隊を米軍の下請けに差し出した

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 日本を取り巻く国際環境が厳しさを増し、いかにも有事が迫っているかのような言い方自体が、実は真っ赤なウソなのだ。

 この話を暴露したのは他でもない、元米太平洋軍司令官で米国家情報長官も歴任したデニス・ブレア氏だ。先日、日本外国特派員協会で講演し、次のように明言した。

「日中戦争が起きる危険性があるとする報道が多いが、私はそうは思わない。東アジアの軍事情勢は非常に安定しており、そうした状態がずっと続くと私は見ている」

 これは、そんじょそこらの左翼政治家の言葉ではない。れっきとした米太平洋軍の元最高責任者でかつ、米CIAをも指揮するアメリカ情報機関の総元締めだった人物の言葉なのだ。したがって、根拠も実に明快だ。

「東アジアの領有権問題は一部例外を除けば、ほとんどが島に関するものだ。島の領有権を変えるには大規模な軍事作戦が必要で、侵略国は空と海の支配を長期間、続けなければならない。しかも、東アジアは東欧や中東のように地続きでないため、国境線を巡る地上戦は起きないし、宗派間、民族間の対立や代理戦争の危険もない」
「中国が尖閣諸島を軍事的に支配できる可能性は極めて少ない。そのようなことを試みれば失敗するし、すごい政治的リスクを冒すことになる」

 そうして、こう断言する。

「東アジアを見渡した場合、紛争が起きる可能性があるところは見当たらない」

 中国の漁船が大挙して押しかけてきたり、公船が出没したりといったニュースを連日見せつけられていると、明日にでも中国が攻めてきそうな気になるが、冷静に考えればブレア氏のような専門家でなくてもわかる話だ。日本と日本の周辺国とは政治的にどれだけ冷え込んでも経済的には極めて強い相互依存の関係にあり、戦争を起こすことはそれぞれの国の経済破綻につながりかねない。さらに、日本には大きな米軍基地があり、日本を攻撃するということは(世界の軍事の常識では)アメリカに宣戦布告するのと同じだからだ。そんな“危ない”ことをする国がいったいどこにあるというのだろうか。

 北朝鮮がときどき思い出したように日本海に向けてミサイルを発射するのも、単にアメリカの気を引きたいだけの話で、日本の領土に対する野心があるわけではない(もちろん政治体制の崩壊や暴走の危険はあるが)。そう考えると、いったい誰が何の目的で、途方もないコストとリスクをかけて日本を侵略するのか、ということになる。「東アジアを見渡した場合、紛争が起きる可能性があるところは見当たらない」というブレア氏の見解は、あまりに当然のことなのだ。

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