百田尚樹も安倍首相も…今度は“同性愛ヘイト”に走る歴史修正主義者たち

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 結成大会が開催されたのは2010年2月の話。安倍氏はこのときの演説で、当時の鳩山首相が国民の命を守りたいと言っていたのをあげつらい、「総理大臣なんですから(命でなく)国を守るんですよ」と、まさに国家主義者丸出しの発言をしていたが、同性愛者に対する考え方はどうなのか。

 近年、同性婚や、異性間の結婚と同等の権利を保障するパートナーシップ法を認める国が増加しているが、安倍首相の思考は国際的な流れとはまったく逆。現に、今年2月18日に開かれた参議院本会議では、「現行憲法の下では、同性カップルの婚姻の成立を認めることは想定されていない」と発言している。

 え? 戦争できる国づくりのためには憲法を無理矢理ねじ曲げて解釈してみたり、改正にも超がつくほど積極的なのに、同性婚には「現行憲法では認められない」ですと? 常日頃、現行憲法を「押しつけ憲法だ」「もう古い」などとディスっているのに、他方、憲法を錦の御旗にするこの矛盾。……それくらい、同性婚を認めることは安倍首相にとって許しがたい話なのだろう。

 安倍首相は以前から、伝統的な家族を守ることを政治課題として語ってきた。たとえば、著書『新しい国へ 美しい国へ 完全版』(文春新書)では、高校の家庭科教科書の記述について、こんなふうに疑問を呈している。

〈同棲、離婚家庭、再婚家庭、シングルマザー、同性愛のカップル、そして犬と暮らす人……どれも家族だ、と教科書は教える。そこでは、父と母がいて子どもがいる、ごくふつうの家族は、いろいろあるパターンのなかのひとつにすぎないのだ〉

 いろんな家族のかたちを紹介し、それを家族と呼んで何が悪いのか?と思うが、安倍首相にとっては「父親・母親・子ども」という形態しか「家族」だと認めたくないらしい。安倍自身だって子をもうけていないし、父・晋太郎も両親が離婚して大伯母に育てられている。それでも、安倍首相はなお〈「お父さんとお母さんと子どもがいて、おじいちゃんもおばあちゃんも含めてみんな家族だ」という家族観と、「そういう家族が仲良く暮らすのがいちばんの幸せだ」という価値観は、守り続けていくべきだと思う〉と宣言するのである。

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