戦後70年談話を考える”安倍首相のお友達”が驚愕発言!「先の戦争は民族の栄光」と…

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 しかし、考えてみれば、これはなんの不思議もない。なぜなら中西センセイ自身がバリバリの陰謀論者だからだ。

 実際、日中戦争、太平洋戦争に関しても自ら田母神氏と同様のコミンテルン陰謀論をおしげもなく披露している。

「より明確に戦争を望んだのは、客観的・公平に見て、どの視点からも中国側だということは明らかです」(「歴史通」2011年3月号)などの“仕掛けたのはあっちだ!理論”を唱えているのはもちろん、張作霖爆殺事件はコミンテルンによる犯行で、盧溝橋事件で最初の一発を放ったのは中国共産党による謀略、第二次上海事変もやっぱり中共秘密工作員の仕業、日本はルーズベルト大統領の罠にはまって真珠湾攻撃を仕掛け、ついでにハル・ノートもコミンテルンが指示した……。

 京都大学教授までつとめた人物が「フリーメーソン陰謀論と同レベル」といわれるような、トンデモ陰謀論を何の恥ずかしげもなく口にしているのだ。

 中西センセイにいわせると、こうした東京裁判史観の否定言説は現代国際社会での駆け引き、すなわち「歴史戦争」なのだという。

〈中国や韓国からの対日歴史攻撃は「心からの反省とお詫び」「良心的対応」(略)といったキーワードを用いてなされるが、いずれも上辺を取り繕う表層(レトリック)に過ぎない。「歴史」を用いる他国への攻撃の本質は徹頭徹尾、それぞれの国の極めて現実的な国益を追及しようとする各国の政治権力的な意思の表れなのである。〉(「国家永続をかけた100年戦争への覚悟を問う」/「正論」15年2月号)

 だが、中西センセイの他の文章を見ていると、これらの発言が現実の国際政治におけるマキャベリズム的な戦略からでてきたものとは思えない。たとえば、日本軍の破滅的な特攻作戦についても、中西氏はこう語っている

〈日本史のスケールではごく一瞬の「戦後という時代」の狭い合理性だけで考えれば、大和の「沖縄水上特攻」はバカげた作戦だったかもしれない。しかし、大和とともに「天下ニ恥ジザル最期」を迎えようとした乗組員たちの心情は、日本人が古代から連綿と受け継いできた「花と散る」の精神と間違いなく同一であり、彼らは一瞬に、大きく古代日本とつながっていたのだと私は思う。〉(「大東亜戦争の読み方と民族の記憶 下」/「正論」12年1月号)

 そして、「大東亜戦争」をこう総括するのだ。

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