『FNS歌謡祭』で露呈したジャニーズ派閥抗争の深刻度 奇跡の共演のはずが…

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 マッチ自身も「奇跡のメドレー」と豪語したこのメドレーは、デビューの若いジャニーズWESTから順に自身の曲を披露。そのさまも、まさに年末のカウコンのようではないか。その後は、「さぁこっからがメインだぜ!」というキムタクの声を皮切りに、いよいよマッチと後輩たちのコラボメドレーが始まる。『ギンギラギンにさりげなく』は嵐とKAT-TUNがコラボし、続く2曲目の『スニーカーぶる~す』はV6とジャニーズWEST。『ブルージンズメモリー』をSexy ZoneとA.B.C-Zが歌い、『ハイティーン・ブギ』は司会の草彅を除くSMAPとKis-My-Ft2。『ケジメなさい』をNEWSとHey! Say! JUMP、『愚か者』はTOKIOと関ジャニ∞、KinKi Kidsと滝沢秀明が『千年恋慕』を披露……。

 もう一度、この組み合わせをよーく見てみてほしい。先述した派閥の内訳と見比べてみると、『ギンギラギンにさりげなく』『スニーカーぶる~す』『ケジメなさい』『愚か者』はジュリー派、『ブルージンズメモリー』『ハイティーン・ブギ』は飯島派と、キッチリ住み分けされているではないか。実際は、派閥を超えたコラボなどひとつもなかったのだ。むしろ、「今年デビューしたジャニーズWESTはジュリー派なんだな」「派閥のイメージがなかったけど、A.B.C-Zは飯島派だったのか!」といった具合に、よりその派閥をハッキリ認識させる結果となった。ここまでくると、同じ番組には出しても、意地でも派閥は超えさせないという強固な意志さえ感じる。

 奇跡の共演のはずが、逆に派閥問題の根深さを露呈してしまったジャニーズメドレー。いくら今回の『FNS歌謡祭』で派閥を超えたメンバーが一堂に会したといっても、実情がこれでは今回を機に派閥の壁がなくなるなど望み薄だろう。

 こうなってくると、大晦日のカウコンの消滅も現実味を帯びてくる。カウコンの生中継消滅に関しては、フジテレビのきくち伸氏の異動により調整役がいなくなったためという報道もあるが、フジテレビとの調整役以前に、派閥問題ゆえにカウコンの存続自体が危ういというのが本当のところなのではないか。実際、昨年のカウコンでは初めてSMAPの香取慎吾が登場したにも関わらず、嵐、TOKIO、紅白の出場がなかったV6すらも出演しなかったし、同じ派閥でしかコラボしていない状況で、すでにかつてのカウコンとはちがうものになっていた。

 とはいえ、メドレー後に全員がステージ上に集まった際、SMAPの後ろに嵐やKAT-TUNが並んでいたり、メドレーでTOKIOが「カモーンSMAP!」とSMAPを呼び込んだりしているように、べつにタレント同士の仲が悪いというわけではない。キムタクも、ジャニーズの先輩後輩が一堂に会したことについて「FNSに感謝してます」とコメントしている。そう思ったのは、ファンも同じだろう。今年のNHK紅白歌合戦に史上最多となる6組ものグループを出場させるなど我が世の春を謳歌するジャニーズ事務所だが、こんなことをしていたら、ファンどころか、タレントにまで愛想つかされる日も近いかも知れない。
(編集部)

最終更新:2014.12.04 10:15

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