京都連続不審死事件と酷似!話題の小説『後妻業』はなぜ事件を予見できたか

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 だが、これはありえない。この小説は「別冊文芸春秋」2012年3月号~2013年11月号に連載されたもので、前夫の死亡より前に書かれたものだからだ。

 今年10月に読売新聞に掲載された黒川のインタビューによると、小説のベースになっているのは、知人の実体験だという。

「実際には90代のお父さんが、70代後半の未入籍の後妻に遺言状を作らされていた。後妻が病院に見舞いに来ると点滴が外れ、誤嚥性肺炎を起こす。弁護士を立てて遺産の遺留分を争う過程で調べたら、過去9年間で前夫3人が事故死していた」

 また、文藝春秋のリリースによると、黒川氏は全国で起きている同種の事件を取材していた。

 ようするに、この小説は予言でも、スクープでもなく、似たような事件がさまざまな場所で起きているということではないのか。

 実際、近年、木嶋佳苗事件や上田美由紀事件など、結婚や交際を媒介にした連続不審死事件が続発しているし、他にも、事件化されていないが、大阪、兵庫、島根などで連続不審死事件が取沙汰されている。

「資産を持っている老人を狙うて後妻に入る。その老人は死んだら遺産を相続できるやろ」
「寂しい男ほど騙しやすいものはない」
「相談所に来た会員の中で、これという年寄りに小夜子をあてがう。小夜子の手練手管は筋金入りだから、相手はころっと騙される。籍を入れるか入れないかは条件次第だ」

 小説『後妻業』にはこんな記述があるが、殺人事件にならなくとも、妻に先立たれた老人に付け入り、再婚して金を巻き上げるという商売はほんとうにあるらしい。小説のタイトルにある「後妻業」とは、弁護士などが使う“業界用語”だという。

 小説では被害者の娘に弁護士が、「後妻業」の“手口”をこう解説するくだりがある。

「後妻は入籍前に住民票を移して、狙った相手と同居しているという形を作ります。次に、ドレッサー、ベッド、洋服ダンスを家に持ち込みます。そうして、地域の老人会などに顔を出して、中瀬の妻です、とアピールします」

 ちなみに、少し前、この『後妻業』を読んだといってテレビやツイッターで絶賛していたのが、百田尚樹センセイ。百田センセイもぜひご注意いただきたいものである。
(林グンマ)

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