ノーベル賞「青色LED」が人体に悪影響の説が…でも詐欺商法には注意

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 そもそも青色LEDの危険性については、以前から囁かれていた。青色の光は紫外線と波長が近く、ほかの色の光に比べて網膜に到達しやすいため、視細胞に強い影響を与えやすい。そのため、眼精疲労や急性網膜障害、加齢黄斑変性症の原因となっていると言われていたのだ。

 とはいえ、パソコンやスマホなしではもはや生活ができないというのが、実際のところだ。そのため、最近ではブルーライトをカットするパソコンやスマートフォン専用の眼鏡も発売されているが、なかには怪しげなものもあるという。サイエンスに詳しいジャーナリストはこう話す。

「ブルーライトの悪影響は指摘されてはいるものの、まだ完全には解明されていません。そんな状態なので、過剰に危険性を煽っているケースもありますね。ブルーライトカットを謳っているとあるPC専用眼鏡を分光器にかけてみたら、通常の眼鏡と同じ結果になったという報告もあります。つまり、まったくブルーライトが軽減されてなかったということですね。そういう詐欺的な商品もあるので、気をつけるべきです」

 細胞への悪影響とともに、パソコンやスマートフォンの画面を長時間見続けて、ブルーライトを照射されることで、体内時計が狂ってしまうとの指摘もある。これについては懐疑的な意見もあるという。前出のジャーナリストは話す。

「これはつまり、夜遅くまで明るい光を見ていると体が覚醒して睡眠不足になりやすい、という話なんです。ブルーライトの影響というよりは生活習慣の問題という気もします。そもそも青色の光は、LEDだけでなく蛍光灯にも含まれているわけで、夜遅くまで部屋を明るくしていたら、それはそれで睡眠不足になりますよね? ブルーライト云々ではなく、早寝早起きをすべきだということなんですね」

 かつて携帯電話が普及し始めた時、“電磁波”の悪影響というものが話題になっていた。今となっては電磁波の悪影響に言及する人はほとんどなく、「あの騒ぎはなんだったのか?」といった雰囲気だ。もしかして、“スマホにおけるブルーライト”は、“携帯電話の電磁波”みたいなものなのか?

「当時、電磁波軽減シールなんていうものもありましたが、何の根拠もないただのシールがほとんどでした。ブルーライトの影響が与えるメカニズムが完全に解明されるまでは、科学的根拠があまりない商品が増えるかもしれないということは、念頭に置いたほうがいいでしょう」(前出ジャーナリスト)

 無駄に危険性を煽って消費者を騙す、詐欺商法を横行させないためにも、ブルーライトの影響に関する研究をいち早く進めていただきたいものだ。
(田中ヒロナ)

最終更新:2015.01.19 04:57

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