ホリエモン「戦争になれば逃げる。他人は知らない」発言に瀬戸内寂聴が激怒!

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 だが、ホリエモンが見誤っていることがひとつある。それは、そのホリエモンが「しょうがない」「知らない」と切り捨てた弱者こそが熱狂するナショナリズムの発火点になっていることだ。ホリエモンも、

「それはグローバル化に対するアンチなんですね。グローバル化によって貧しくなる人たちが抵抗してるにすぎないんで。そういうネトウヨ的な人たちもそうなんですけど、日本人であることだけが彼らのプライドの源泉なんですよね。だから『もう鎖国をしろ』とか『戦争しろ』とか言うのは、その人たちですよね」

 と、そのことは認識しているようだが、その口調からは「そんな連中はとるにたらない」「影響力をもてるわけがない」という意識が見え隠れする。しかし、世界を見渡せば、そのグローバル化に取り残された人々がナショナリズムや民族主義に熱狂し、明らかに戦争の発火点になっている。そして、日本や中国でもそういう事態にエスカレートしないという保証はないのだ。

 実際、日本の若い世代は、ホリエモンに憧れているようなグローバリズムの信奉者と、知識や教養がないゆえに「愛国」だの「日本の誇り」だのといった言葉に踊らされる「ネトウヨ」に完全に二分されつつあるように見える。しかも、国家や他者に関心のないグローバリズムの信奉者には、ネトウヨたちを説得して、その戦争への熱狂を押さえこもうという気はさらさらない。
 
 唯一、戦争への危機感を強く抱いているのは、戦争の記憶をもっている寂聴のような古い世代だけだが、その声もどんどん届かなくなっている。ちなみに寂聴は、ホリエモンの姿勢に苛立ち、最後はキレ気味になって、こう叫んでいた。

「もう私は本当に死にたいの、つまらないから。つまらない。くだらない。ひどい。私は堀江さんと違って、戦争が起こると思ってるからね。もう見たくないと思う。あれを二度と見たくないの。でもいいわ。『戦争しない』っていう、こういうふうに堀江さんのように言い切れたらね、言い切る人が出てきたら、それは英雄ね。それはみんな喜ぶんじゃないかしら、枕を高くして寝られるんじゃないかしら。そして、そのときに、ばーっとやられるんですよ」

 まさかの“昇天”発言。でも、いくらいわれてもホリエモンは、「その時はその時で、逃げるからいいですよ」としか思わないんだろう。ああ、この両者のギャップを見ていると、ますますヤバい感じがしてきた。
(梶田陽介)

最終更新:2015.01.19 05:22

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