太宰治が川端康成に殺害予告!? 芥川賞の黒歴史がスゴイ件

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
akutagawashou_01_140716.jpg
『直筆で読む「人間失格」』(集英社)

 明日、第151回芥川龍之介賞と直木三十五賞が発表される。直木賞は中堅作家の大衆文学作品に与えられるが、一方の芥川賞は純文学の新人作家に与えられる“登竜門”的な位置づけ。セールス面ではどんなに本屋大賞が大きな影響力を持とうとも、社会的影響力という意味ではやはり芥川賞の存在感はいまだ大きい。純文学を志す作家にとって芥川賞は“なんとしても獲っておきたい賞”であることに違いはない。

 だが、過去の受賞者を見ていると、いまでは名実ともに評価が高い作家が意外と芥川賞を獲っていないことも。その最たる例が“ノーベル文学賞”候補にもあがる世界的作家・村上春樹。デビュー作「風の歌を聴け」で第81回、続く「1973年のピンボール」で第83回芥川賞候補となっているが、いずれも落選している(ちなみに第81回の受賞者は重兼芳子と青野聰、第83回は受賞作なし)。また、春樹同様に海外評価が高いよしもとばななも「うたかた」(第99回)、「サンクチュアリ」(第100回)で候補にあがるが、ともに落選(第99回受賞者は新井満、第100回は南木佳士と李良枝が受賞)。島田雅彦にいたっては、現在、芥川賞の選考委員をつとめているにもかかわらず、なんと6度も落選し続け、結局受賞していないのだ。

 6度も落とされて選考委員を引き受けている島田は「お人好し」としか言いようがないが、春樹などは、昨年の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』までは、文藝春秋から長編小説を1冊も出していなかったあたり、芥川賞の勧進元に対する複雑な感情もうかがわれる。

 しかし、この作家ほど芥川賞に執着した作家はいないのではないだろうか。落とされて激怒し、情けないほどの恨み節をたらたらと述べたのは、かの文豪・太宰治である。

 太宰が芥川賞候補になったのは、賞が誕生した第1回(昭和10年)。作品は「逆行」だった。そもそも芥川・直木両賞は文藝春秋の社長だった作家・菊池寛が“半分は雑誌の宣伝のために”と設立したものだが、現在のように社会的ニュースとして注目を集めるようになったのは1956年に石原慎太郎が「太陽の季節」で第34回芥川賞を受賞してからのこと。「文藝春秋」07年3月号に掲載された「芥川賞10大事件の真相」によると、第1回の結果発表時は、新聞の扱いが軒並み小さいどころか、一行も書いてくれなかった新聞もある、と菊池は激怒したという。まだ海のものとも山のものともつかない賞だったのだ。

 ただし、さすがはやり手の菊池寛というべきか、選考委員はまさしく豪華絢爛。谷崎潤一郎に川端康成、室生犀星、山本有三、佐藤春夫などの錚々たる作家が名を連ねている。そんななか発表された第1回受賞作は石川達三の「蒼氓」。そして、この結果に憤慨したのが当時26歳の太宰だった。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

太宰治ADHD(注意欠陥・多動性障害)説―医師の読み解く「100年の謎」

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

太宰治が川端康成に殺害予告!? 芥川賞の黒歴史がスゴイ件のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。出版業界芥川賞の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 週刊文春の小室不倫報道は悪くない!
2 ウソつき佐川国税庁長官の説教があり得ない
3 安倍の「非正規を一掃」は真っ赤な嘘
4 西部邁が「総選挙で自殺を延期した」と
5 暴力、セクハラ…ブラックすぎるパチンコ店
6 「不倫学」が教える防止策とは?
7 平昌五輪出席問題で安倍が二枚舌!
8 古市憲寿が安倍との会食に失笑言い訳
9 元旦朝生のウーマン村本は間違ってない
10 山口敬之が補助金交付関与の新証言
11 公取委がタレント独立阻む契約を違法認定
12 櫻井よしこは嘘つきだ!小林節が告発
13 百田尚樹「朝日読者も日本の敵」発言のヤバさ
14 ほっしゃんの反差別にウーマン村本が
15 安倍首相「沖縄は我慢して受け入れろ」
16 宇野常寛が『スッキリ』クビの裏側暴露
17 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
18 『朝生』で百田尚樹が徹底論破され大恥
19 NYTの直撃に山口敬之が卑劣コメント
20 小倉智明、坂上忍がセクハラ告発を抑圧
1吉永小百合、声をあげることへの覚悟
2安倍首相「芸能人との会食」は改憲目的!?
3安倍首相「沖縄は我慢して受け入れろ」
4山口敬之が補助金交付関与の新証言
5安倍「杉原千畝は誇り」発言は帝国主義賛美
6河野太郎の「安倍の犬」化が止まらない!
7ほっしゃんの反差別にウーマン村本が
8西部邁が「総選挙で自殺を延期した」と
9「SAPIO」反日バッシングの異常
10日立原発支援政策は“お友だち優遇”
11安倍の「非正規を一掃」は真っ赤な嘘
12安倍自民が名護市長選で卑劣な札束攻撃
13公取委がタレント独立阻む契約を違法認定
14異常!安倍が慰安婦問題を理由に五輪欠席
15古市憲寿が安倍との会食に失笑言い訳
16小倉智明、坂上忍がセクハラ告発を抑圧
17百田尚樹「朝日読者も日本の敵」発言のヤバさ
18平昌五輪出席問題で安倍が二枚舌!
19松本人志が黒塗り問題で逃げと責任転嫁
20ウソつき佐川国税庁長官の説教があり得ない

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

連載一覧へ!

アベを倒したい!

ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100

ブラック企業被害対策弁護団

連載一覧へ!

ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」