木嶋佳苗の私小説ブログも! 獄中からのネット発信が流行中

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 ところが現在では、この木嶋被告をはじめとして、ウェブで獄中から思いを発信する者たちが増え始めている。02年に千葉県で発生したマブチモーター社長宅殺人放火事件で死刑が確定している小田島(現:畠山)鐵男は「死刑囚獄中ブログ」を07年にスタートさせている。ジャーナリスト・斎藤充功氏による取材記という形で当初は運営されていたが、現在ではニュースの引用が多く、時折面会記が更新されている。

 ライブドア事件で11年に懲役2年6月の実刑判決が確定し収監された堀江貴文氏は、もっともウェブを活用した元受刑者といっていいだろう。獄中から書籍を出版するだけでなく、スタッフの手を借りTwitterを更新し、さらには収監前から運営していた有料メルマガも継続していた。仮釈放後は記者会見の様子をニコニコ生放送で配信している。

 1993年に発生した埼玉愛犬家連続殺人事件で、首謀者として逮捕された関根元とその元妻、風間博子はともに2009年に死刑が確定しているが、その風間も今年に入りウェブサイト「大きな愛に包まれて」を立ち上げた。管理人は風間の娘の婚約者で、娘との面会や文通の内容などを公開している。風間は冤罪を訴えており、それを信じる管理人によって「冤罪を訴える」というコーナーが設けられている。

 10年に殺人未遂事件の公訴時効をむかえ、未解決事件となっている警察庁長官狙撃事件については、公安部がオウム犯行説を唱えていた。その一方、刑事部は最後まで別件で有罪となり服役中の男性に疑惑の目を向けていたが、この男性とおぼしき人物によるブログ「警察庁長官狙撃事件について」も存在する。

 ネットの普及とともに獄中からの情報発信のスタイルは変わり始めている。支援者がそれ相応のスキルを持っていれば気軽にスタートできるというメリットもあることから、今後もこうしたウェブサイトは増えていく一方だろう。
(寺西京子)

最終更新:2014.07.05 08:04

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