がん告知、失恋、子宮摘出…AV女優・麻美ゆまの壮絶な闘病

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「カメラを向けられ、いつものように笑おうとしても、勝手に涙が流れそうになってしまうのです。メンバーに「また痩せたね」と言われ、作り笑いでごまかしたけれど、心の中はグチャグチャでした」(本書より)

 しかも、この病気を告知された日、彼女にはもうひとつ辛い現実が待ち受けていた。当時、麻美は元カレの男性に別れた後も思いを寄せており、その元カレに病気のことを告白。彼は「支えになりたい、ずっとそばにいるよ」と言い、朝まで一睡もせず寄り添っていてくれたのだが、朝方、彼の自宅のトイレで、自分のものではない生理用ナプキンが置いてあるのを目にしてしまうのだ。

 好きな彼女がいるのに、彼は病気になった自分を見放すこともできない。私は彼にとって重荷だ──そう感じた麻美は、彼と本当の別れがやってきたことを知る。それでも闘病中も、ずっと彼のことが頭を離れなかったそうだ。

 そうして希望を失ったまま迎えた、運命の手術の日。術後わかったことは、悪性と思われた腫瘍は“境界悪性腫瘍”という「良性と悪性の間の性質を持つ病変」だったこと。しかし、“がん細胞がお腹の中にばら撒かれている状態”の腹膜播種があり、それもステージⅢbとかなり進行していたらしい。術中には堪った腹水を2リットルも抜いたといい、術後に体重を計った際は健康なときから9キロ減の39キロになっていたというから、これ以上病気の発見が遅ければとても危険な状態に陥っていたのかもしれない。

 手術の成功によって、前向きになって治療に立ち向かう人は多い。だが、彼女はそうではなかった。一時退院の許しが出た後、麻美はたったひとり、ふらりと岩手や北海道に旅に出た。そのときの感情をこのように記している。

「子供を産めない身体になってしまった悲しみ、待ち受ける抗がん剤治療……。様々な思いが入り乱れて、現実と向き合いたくなかったのです」(本書より)

 それでも、東京に戻り抗がん剤治療に挑んだ彼女。その副作用だけでも大変だが、子宮と卵巣を摘出しているため、不眠や動悸、ホットラッシュといった更年期のような症状にも苦しめられたという。さらに病気で無収入になったため、生活レベルを落とすべくマンションを引っ越したり、病気を抱える母の心配をしたりと、気がかりは山積していた。

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